コールセンターで活用できるカリブレーションとは?モニタリングを行う上でのポイントを解説します
コールセンターで働く上で非常に重要なのが、モニタリングです。
モニタリングによってオペレーター一人一人の応対スキルを向上させたりコールセンター全体の課題を抽出したりとさまざまな役割があります。しかし、モニタリングはオペレーター一人一人の話法などを向上させるものではなく、あくまでコールセンター全体の品質向上や平準化に留まります。
そんなときに重要なのが、オペレーター一人一人の基準合わせを行うカリブレーションです。
それでは、カリブレーションの基本や重要性、活用による評価改善方法、ポイントなどをご説明しましょう。
カリブレーションの基本とその重要性
コールセンター業界で使われるカリブレーションとは、基準合わせのことです。
コールセンターで全体の品質向上や平準化を行うにはモニタリングが欠かせませんが、それではオペレーターのモニタリングを行う担当者の間で評価基準が違うことによる認識のズレが発生してしまいます。
そのままでは担当者によって評価が偏ったり恣意的な評価をしたりと、さまざまな問題につながるでしょう。人事評価が正しく行われなかった職場は不当な評価をされてしまったオペレーターが出てくる場合もあり、モチベーションの低下につながりかねません。
それを防ぐために、オペレーター一人一人の評価基準を一定にすることにより、モニタリングの均一性や客観性を高める際にカリブレーションが必要になります。
カリブレーションを行うことで担当者同士の評価基準のズレをなくし、一定基準で評価できるので適切な評価ができるようになるのがポイントです。
したがって、モニタリングを行う際にカリブレーションを行うことが何よりも重要だと言えるでしょう。
カリブレーションによるモニタリングの向上方法
カリブレーションによるモニタリングの向上方法は、以下の通りです。
1.モニタリングを実施する
2.評価内容を相互確認する
3.評価基準の調整を行う
それでは、カリブレーションによるモニタリングの向上方法についてご説明しましょう。
1.モニタリングを実施する
最初に行うのはモニタリングですが、評価対象にするのは全員同じ内容のコールです。
同一のコール内容を評価対象にすることで、担当者全員がどんな基準で評価しているのか浮き彫りになります。
評価対象のコール内容はどうしても一人一人の対応力などに左右される専門性が高い内容ではなく、日常的に起こりやすい内容にしましょう。
2.評価内容を相互確認する
モニタリングを行った後、担当者全員がそれぞれの評価結果を発表します。
このとき、なぜその評価内容になったのかしっかりとした理由や根拠があると、評価内容を照らし合わせる際に納得してもらいやすいでしょう。
また、評価内容を照らし合わせる際に大前提としておきたいのが、カリブレーションはあくまで評価基準の均一化を目指すということです。
担当者同士で評価内容の優劣を決めるものではありませんし、ましてや自分の評価が正しいことを主張することが目的でもありません。
客観的な目線でお互いの評価内容を照らし合わせて評価基準の均一化を目指しましょう。
3.評価基準の調整を行う
担当者同士のすべて評価結果の内容を確認したら、本題のカリブレーションを行います。
すべての評価結果を基に、どんな評価基準にすれば担当者全員のモニタリングの質が向上するのか綿密に話し合っていきます。一つの意見を参考にするのではなく、複数人で話し合っているからこそ多角的な視点から客観的な意見が反映できます。
全員で話し合った結果、担当者全員が納得した上で合意したものを評価基準としましょう。
また、カリブレーションは1回実施したら終わりというわけではありません。担当者の変更、モニタリングの対象を変えつつ、何度もカリブレーションを行うことで評価基準の定着や担当者の評価スキルの向上につながります。
カリブレーション活用による評価改善方法
カリブレーションの活用による評価改善方法は、以下の通りです。
1.オペレーターが自己評価する
2.実践練習する
3.実際の音声を聞き返す
それでは、カリブレーションの活用による評価改善方法についてご説明しましょう。
オペレーターが自己評価する
カリブレーションを行う際に、オペレーター自身からコール内容の自己評価を行ってもらいましょう。
担当者全員の評価内容も重要ですが、オペレーター自身が自分のコールに対する対応がどんなものだったのか評価しやすいのが大きなポイントです。自分自身で「こんな対応をすれば良かった」「ここの対応がダメだった」などと、オペレーターの評価に加えて担当者の評価をを伝えます。
お互いの評価を交えた上で、今後のどのような課題があり、その課題を解決するためにはどうすればいいのか考えていきます。
一緒にカリブレーションを行うことで、担当者だけでなくオペレーターのコール対応の向上も図れるのがポイントです。
実践練習する
次に行うのは、担当者との話し合いで浮き彫りになった課題を解決できる策を用いて、もう一度コール対応をすることです。
実践練習を通してオペレーターが課題を解決できたのか、解決できなかったのかによって、今後の対応も変わってきます。
課題が解決できなかった場合は別の解決策を模索しますが、課題が解決できた場合は担当者が提言した課題の解決策が正しいものだったことが分かります。
ここでオペレーターが課題を解決するための考える力が身に付くのがポイントです。
実際の音声を聞き返す
カリブレーションを行うにあたって重要なのは、評価内容を反映させた上で実際の音声を聞き返すことです。
コール内容の音声を聞き返すことでモニタリングの正確性が上がると共に、モニタリングを行った担当者としても自分が行った評価内容について振り返ることができます。
実際の音声を聞き、次にモニタリングで評価を行う際の参考になるのがポイントです。
カリブレーションを行うときのポイント
カリブレーションを行うときのポイントは、以下の通りです。
・印象面と事実面で区別して評価する
・数値にして評価する
・評価の理由や根拠をメモする
・評価に対する売上を比較する
それでは、カリブレーションを行うときのポイントについてご説明しましょう。
印象面と事実面で区別して評価する
カリブレーションを行うためにモニタリングを行う場合、コール内容全体に対する評価ではなく、印象面と事実面で区別して評価することが大切です。
印象面はオペレーターの対応が顧客に対して好印象や満足感を与えられているかどうかのポイントです。
事実面はオペレーターが顧客からの質問内容について事実を正しく伝えられているかどうかのポイントです。
カリブレーションを行う上で印象面の評価基準は非常に安定しにくいため、事実面と区別して評価することによってカリブレーションがやりやすくなります。
数値にして評価する
主観的な考えと客観的な意見が飛び交うカリブレーションでは、コール内容を適切に評価するのはとても難しいです。
人によって評価内容が違うのも非常に厄介なので、評価基準を調整しやすくするために数値化することが重要です。
評価内容が数値化されることによって評価基準が柔軟に調整できるため、カリブレーションがスムーズにできるようになります。
評価の理由や根拠をメモする
カリブレーションを行う際に重要なのは、担当者がなぜその評価内容になったのか、その理由や根拠をしっかりとメモすることです。
カリブレーションを行う際に一人一人のコール内容に対する評価内容や根拠をメモすることで、他の担当者との話し合いに活用できます。
もしお互いの評価内容が違っていた場合、お互いの根拠に基づく話を重ねて評価基準を均一化させるのに役立ちます。
評価に対する売上を比較する
モニタリングに次ぐカリブレーションを行ったら、その評価結果によって売上向上が実現できているかどうかが重要です。
あくまでモニタリングとカリブレーションを行うのは関連商品の売上向上が目的なので、せっかく評価を行っても売上向上につながらないのでは意味がありません。
しっかりと売上に反映されてこそ意味があるため、売上向上に繋がるようにする必要性があります。
カリブレーション まとめ
コールセンターでしっかりとオペレーターが売上を向上させるには、モニタリングだけでなくカリブレーションを行う必要性があります。
モニタリングによる担当者の評価基準が一定ではない以上、カリブレーションによってしっかりと話し合い、評価基準を均一化させることが大切です。
カリブレーションとモニタリングを何度も繰り返して、売上向上に繋がる評価ができるようにしましょう。
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