IT導入補助金とは?ITツールで中小企業の生産性や業務効率化向上を推進!
業務効率化実施のために、各種ITツールの導入はきわめて重要です。ITツールを有効活用することができれば作業時間を大幅に削減することも可能でしょう。
導入にあたっては決して少なくない費用が必要となりますが、そのような場合は「IT導入補助金」を活用することによってコストを大幅に減らすことができます。中小企業や個人事業主にとって心強い、このIT導入補助金の概要および審査に関して今回は説明していきましょう。
IT導入補助金とは
IT導入補助金は、正式名称を「サービス等生産性向上IT導入支援事業費補助金」といい、経済産業省や独立行政法人中小企業基盤整備機構によって毎年複数回募集されている制度を指します。この補助金制度が実施される目的は、中小企業や小規模事業者の生産性を向上させることです。資本力の小さな企業や事業者が法律の変化や効率化の流れに対応し、経営力を上げられるようにするため、ITツール導入経費をサポートすることが目的となっています。
IT導入補助金は主に「A型」「B型」のふたつに分類されており、経済状況に応じて「特別枠(C類型)」が追加募集されることもあります。2021年度は「D型」も追加される模様です。
IT導入補助金の対象者
この制度の対象となるのは、資本金および従業員数一定以下の企業ならび事業者です。この基準は事業ごとに異なっています。たとえば、製造業や運輸業の場合は資本金3億円、従業員数300人以下が対象となっているのに対し、小売業は資本金5,000万円、従業員数50人以下とされています。
それに加え「事業生産性向上のためITツールを導入すること」も条件として求められるのですが、ここで注意すべきポイントがあります。
それは、導入予定のITツールが「IT導入支援事業者」によって登録されているものでなければなりません。あらかじめ指定された支援事業者と認定されたツールでなければいけないと定められているのです。
対象となるITツール
それでは、どのようなITツールが補助金の対象となっているのでしょうか。応募要項で指定されているのは、たとえば経理や労務、在庫等を管理するソフトウェアの購入です。ITツールを導入するための研修や環境整備、加えてそれに関わるコンサルティングや保守サポートの費用も対象となります。
逆に、対象外とされているのはパソコンやタブレットといったハードウェア類、ならびにホームページの制作やそれを目的としたツール等です。しかしこれには別の方法があり、予約画面や問い合わせ窓口等売上改善につながるシステムと連動している場合は対象となる可能性もあります。
ただし、これらはA型およびB型の場合です。特別枠の場合はまた事情が異なります。たとえば2020年に募集が行われた特別枠では、一部ハードウェアのレンタル費用も対象とされていました。2021年においてもテレワークへの対応を促す新特別枠が導入されることがすでに複数のメディアで報じられており、3/16に発表された要領では、2021年は低感染リスク型ビジネス枠として特別にC類型・D類型を設けることが決定したようです。
オプトエスピーは「IT導入支援事業者」として採択されていますので、みなさまのITツール導入及び補助金申請のサポートをさせていただきます。
▼オプトエスピーのIT導入補助金についてはこちらを御覧ください。
https://www.optsp.co.jp/news/detail/20210608/
IT導入補助金の補助金額について
肝心の補助金額についてですが、これは分類によって多少数字が異なってきます。たとえばA型は基本的に30万~150万円未満、B型は150万~450万円と定められています。この金額の違いはふたつの制度の「プロセス数」が異なるためです。プロセス数とは顧客管理や財務等業務工程のことを差しており、A型の場合は導入ツールがひとつの工程改善にだけ携わっていればよいのに対し、B型では実に4つ以上の工程に関わっていることが求められます。
ここで重要なのは「補助率」です。A型およびB型では補助率が1/2以内と定められています。たとえばA型補助金を利用して70万円のITツールを導入したとしても、サポートを受けられるのは半額の35万円分であり、残り半分は自身で負担する必要があるということです。
しかし特別枠の場合、補助金額の内容は一部異なります。たとえば、2020年実施特別枠ではその金額が30~450万円と定められていました。さらに補助率は「C類型-1」の場合は2/3以内、「C類型-2」の場合は3/4とされており、最大で実に7割近くのツール導入費用を賄うことが可能となっていたのです。
2021年度の募集においては、「A型」「B型」は1/2以内、「C類型-1」「C類型-2」「D型」は2/3以内と発表されました。
IT導入補助金交付までの流れ
次に、IT導入補助金申請から交付までの流れについて解説をいたします。まず行うべきは、「どのようなITツールを導入するのか」の検討です。先述した通り、ツールは指定された支援事業者から提案されたものでなければなりません。そのため、業者を選定した上で話し合いを行い、どのようなツールが事業に求められているかを決定することになります。
また、補助金申請前に契約したものは補助対象外となるので注意が必要です。
その後、「gBizIDプライムアカウント」を取得した上で事業計画を作成し、申請を行う運びとなります。申請にあたっては「納税証明書」の他、法人であれば「履歴事項全部証明書」、個人であれば「所得税確定申告書B」や「住民票(あるいは運転免許証)」の提出が必要です。それに加え、支援事業者から「申請マイページ」への招待を受けなければなりません。
申請完了後
交付申請が完了すると、後はおよそ1~2週間ほど審査を待つこととなります。採否の結果および交付決定の連絡はメールで通知されるので、そのためのメールアドレスを用意しておかなければなりません。
審査の結果、事業計画が採択されれば補助金交付決定となります。重要なのは、この段階ではじめて目的のITツール発注および支払いを行うようにするということです。交付決定より前に支払いを行った分に対しては補助金が発生しないので注意しなければなりません。導入後、交付された補助金を計画通り使用したかを証明するための「事業実績報告」を行い、そこで改めて正式な補助金額の算出とその交付が確定します。
補助金が支払われた後も、まだやるべきことがあります。ITツール導入によってどれだけ生産性や効率がアップしたのかをWEB上で報告するように定められているのです。これを「事業実施効果報告」といい、定められた期間(2020年特別枠の場合は3年間に3回)定期的な報告が求められます。
IT導入補助金の審査項目について
交付の可否については、どのような基準で判断されているのでしょうか。大きな判断材料となっているのは、申請の際に提出する事業計画です。「なぜこのツールを導入すれば生産性が上がるのか」「数値的に見てどの程度効率がアップするのか」といった点について、最大限詳細に説明できる必要があります。この補助金の目的はあくまでITツールによる経営力の向上であり、最初からその見込みがなさそうな計画は相手にされません。
それに加え、将来性の高いシステムを導入することへの意欲があるかどうかもチェックされます。たとえば、クラウドによる円滑なデータのやりとり実現や、テレワークを行いやすくするための業務プロセス改善に向けた取り組みです。そのため、支援事業者とよく話し合った上で、第三者の目線から見ても説得力のある事業計画を作成する必要があります。
IT導入補助金 まとめ
IT導入補助金は申請すれば必ず受けられるというものではなく、手続きにも多少時間がかかります。しかし、それでも得られるメリットは非常に大きなものです。この補助金を活用すれば、本来の資本力では導入できなかった高機能なITツールを導入できる可能性があります。
IT導入補助金の申請期間およびその対象については、公式HPにて発表されます。経営力の強化を視野に入れているならば、定期的にチェックし見逃しがないようにしましょう。
▼詳細は公式サイトでもご確認ください。
IT導入補助金